2017年4月26日水曜日

【メディア掲載】HSF市民測定所・深谷(埼玉県)が東京新聞に掲載されました

2017年3月15日付 東京新聞に、みんなのデータサイト参加測定室の1つでもある、「HSF市民測定所・深谷」の活動が取り上げられました。

今回は、測定室名にもなっている、HSF(ホットスポットファインダー)という空間線量測定器を活用し、埼玉県全自治体300公園の空間線量を丹念に測定していることを取材されたそうです。
「みんなのデータサイト」や「土壌プロジェクト」の直接の内容ではありませんが、測定室の活動として大変貴重なもので、ぜひ皆様にご紹介したく、掲載します。

結果は、ホームページ「HSF市民測定所・深谷 放射能見える化計画」で公開しているほか、冊子にして配布しています。どうぞ、上記ホームページをご覧ください。

2017年4月10日月曜日

ありがとう!3,000件 土壌プロジェクト報告会 イベントレポート

2017年3月26日、代々木オリンピックセンターにて『ありがとう!3,000件 東日本土壌ベクレル測定プロジェクト報告会』を開催しました。

17都県にわたり、2年半の無料測定期間を設けてプロジェクトを実施し、資金サポート、土壌採取サポートの両輪で援助を呼びかけ、多くの市民の皆様にご協力を頂きました。
そしてこの度、ついに3,000件を超す貴重な各地のセシウム汚染の状況を得て、マップ化することができました。そのお礼・感謝の気持ちを込め、多くの皆様に集まっていただき、その成果を発表・共有して交流する機会として、報告・交流会を企画しました。




当日は、花冷えの雨の中、約150人もの来場をいただきました。
「みんなのデータサイト」からは、参加している全国の33測定室の内13測定室が駆けつけました。
また、日頃から脱被曝、保養、子どもたちを放射能から守る活動などを行っている11団体にブース出展をいただき、会がスタートしました。以下レポートです。ぜひご覧ください。


土壌プロジェクト2年半の軌跡・測定室紹介


みんなのデータサイトの成り立ちや土壌プロジェクト活動の模様をスライドショーで振り返りました。各地での採取講習会や実際の土壌採取の模様をはじめ、来場した全国各地から13測定室の紹介をしました。
来場者のアンケートでは「測定室の方々の顔を見て声を聴くことができて、このようなたくさんの測定室の皆さんがプロジェクトに関わっていることを知ることができて感動した」「プロジェクトの始まりから広がりまでがよくわかった」などの感想をいただきました。

測定室の自己紹介風景です

 北は北海道から、西は尾道までの測定室が駆けつけました


放射能測定にまつわる地域ごとに異なる状況や思いを、短い時間ながらも共有しました



ブース出展団体自己紹介と交流・販売タイム

11の団体の自己紹介と当日販売や展示しているもののPRなどをしていただいた後に、交流タイムを持ちました。多くのブースにお客様がお立ち寄りいただき、DVDや冊子、雑貨などの購入や相談が活発に行われました。


【ブース出展団体】(11団体)
●NUU(ヌー)http://nuu-nuu.com/ 
●3+1 (サンタスイチ) http://3tasu1.com/
●飲食セーフティーネット http://fbsnetwork.com/
●NPO子ども全国ネット http://kodomozenkoku.com/
●原子力教育を考える会 http://www.nuketext.org/
●ゼンダマフェス https://zendamafes.wordpress.com/think-to/
●沖縄・球美の里 http://www.kuminosato.com/
●みんなの放射線測定室「てとてと」(測定室)http://sokuteimiyagi.blog.fc2.com/
●アスナロ(測定室) http://www.lab-asunaro.jp/
●東林間放射能測定室(測定室)(HSF(ホットスポットファインダー)の実演)
●みんなのデータサイト




「アスナロ」の手芸品の売り上げは、福島の子どもたちの保養プロジェクトの活動費に

 「ほうしゃのうきほんのき」を宣伝する子ども全国ネットさん



交流時間中、それぞれのブースで交流が進みました



NUUさん「ミニライブ」

鎌仲ひとみ監督「小さき声のカノン」のエンディング主題歌でおなじみのシンガーNUUさん+笹子重治さん(ギター)によるミニライブ。「うまれてきたから」など数曲を披露していただきました。命の大切さ、何気ない日常の愛おしさをあらためて噛みしめるひとときとなりました。
司会をしていたスタッフの中村も、「なぜ自分がこの活動をスタートしたのか。なぜ今ここで司会をやっているのか?」、原発事故直後の子を抱えての不安な気持ち、なんとかしなくちゃと立ち上がった頃の思いが走馬灯のように駆け巡り、あれから6年、不条理なこともたくさんあるけどそれでもやっぱり前を向いていこう、、、と美しい歌声と演奏にちからをもらい、思わず涙がこぼれました。


やさしい歌声を披露してくれたNUUさんに会場から惜しみない拍手が



鎌仲ひとみ監督と事務局長石丸による「土壌汚染マップの解説」対談


いよいよ本日の目玉。今回の土壌プロジェクトでは、17都県に渡りプロジェクトを2年半実施しました。その結果3,000件を超すセシウムの土壌汚染を示すデータを得ることができました。そのマップをお披露目するとともに、2011年当時どうだったのか?100年後どうなるのか?といったシミュレーションをご覧いただきました。またチェルノブイリ事故後のロシアなどの汚染状況との比較、日本とロシアの避難基準の違いなどの解説がありました。http://www.minnanods.net/soil/



ゲストの鎌仲ひとみ監督からは、福島県内の小児甲状腺がんの発症状況に関するお話を聞きました。また関東地方における疾病が増えていることなど、直に看護婦さんから聞いたという話を含めて生のお話がありました。今後、実際に統計データや学術データとしての裏付けが待たれますが、事故当時のヨウ素の被ばくを迅速に調べなかったことなど、事故当時からの行政の姿勢に話が及びました。

みんなのデータサイトの土壌プロジェクトは、土壌汚染の調査・情報公開を国が本格的に取り組んでこなかったことから、市民の皆様と立ち上げたプロジェクトです。結びに石丸が「今日はゴールではなく、新たなスタートの日。今後はこの蓄積されたデータをどのように広め、どう活用していくか、みんなで知恵を出し合い、連携していきましょう」という言葉で締めくくりました。
参加者アンケートでも「汚染状況をデータで把握することの重要性がよくわかった」「今までに知らなかった貴重な情報を得ることができた」などたくさんの感想を書いていただきました。




「避難されている方からのお話」

今回のイベントで2番目に「聞いてよかった」というお声が多かったのが、こちらの「避難者のお話」。
避難者の方から、実際に生の声を聞かせていただける機会は滅多にありません。しかも、3月31日には自主避難者への唯一の補償である住宅の無償提供が打ち切りになるというタイミング。大変お忙しい中、顔出しはNGという条件で来ていただくことができ、大変貴重な機会となりました。

鈴木直子さんは、いわき市から2011年3月15日の夜中に東京の八王子へ一時避難、その後自宅を提供してくださる方があり、埼玉の川越へと避難されました。 
当初は3ヶ月のつもりで2人の娘さんと避難をされ、お連れ合いは福島へ戻りましたが、結局2年間の母子避難となってしまいました。 
新婚時に建てた新築の一軒家も苦渋の決断の上売却することとなり、8年間しか住めなかったそうです。
その後、お連れ合いの就職先が埼玉県内にみつかり、現在は家族で暮らしているそうですが、いわきは土着で長男が家を継ぐという土地柄でもあり、全校生徒600人の内、避難家族は当時わずか3家族。現在も避難を続けているのは鈴木さん一家だけとなってしまいました。
逃げた罪悪感と故郷への思いとの葛藤の中で暮らす毎日は、子どもも親も気を遣い合い、我慢の連続だったそうです。
でも、全体の避難者の内、避難をやめ故郷に帰る人は2割、残りの8割の方々が避難を継続しているのは、残留している放射能が危険だからという思いがあるからで、その意味でも東日本土壌ベクレル測定プロジェクトが示すデータは、本当に有り難いと感謝の言葉を述べてくださいました。
37万人の内、184人の子どもに甲状腺ガンがみつかっているのに、検査を縮小しようとしている福島県は許せない、起きてしまったことにいかに対処していくかが大事なので、もっと勉強してこれからは正しいデータを元にきちんと訴えていきたい、と力強くお話しをしてくださいました。
「子は宝だけれど、親も宝。避難者も幸せになっていいんだよ。もうその時期に来ている。前を向いてしっかり頑張っていきたい。」という言葉が大変印象的でした。

(顔出しNGのため、お写真はありません)


「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」について

今回報告を行っている「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」は、汚染が濃縮されたマイクロホットスポットなどは除いた、その地域の標準的な汚染度を知って地図化するためのプロジェクトでした。一方で、東北・関東を含む広範囲に点在する「マイクロホットスポット」の問題も決して無視できるものではありません。
みんなのデータサイトでは、今後「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」として、Hotspot Investigators for Truth(ホットスポット・インベスティゲーターズ・フォー・トゥルース:略称HIT)の協力を得て、マイクロホットスポットの測定及びデータの公開に着手します。
こちらのプロジェクトでは、高汚染の土壌を採取・測定するため、吸い込み被曝などの危険を伴います。そのため、一般の方々に採取の呼びかけをすることはいたしません。

皆様には、実際にどのような条件の場所がホットスポットになりやすいのか? わかりやすいウェブページを通じて情報公開や注意喚起を呼びかけていきます。
ウェブの公開は、5月頃の予定です。




データサイトの今後の予定

●土壌汚染地図帳(アトラス版)を発行します
これまでに揃ったデータに加え、どうしてもまだ埋まっていない「最後の空白域」を事務局など有志でなるべく採取してデータを揃えた後、9月末(予定)に各都県のマップに解説を加えた地図帳「アトラス版」の出版を予定しています。

●ウェブサイト改変により、わかりやすいサイト・役立つサイトを目指します
この土壌プロジェクトの結果をより見やすく、また今回ご覧いただいた、現在・過去・未来の汚染状況を閲覧できる機能をより充実させていく予定です。

放射能汚染の数値、その意味などについても、できるだけ解説をわかりやすく加えていく予定です。単にデータを見ることができるだけでなく、サイトを訪れた方々が自分自身の物差しを持ち、データの意味を知り、自分や身の回りの方々の生活に役立てていただけるようなサイト作りを目指していきます。

●蓄積されたデータを有効活用していただけるよう呼びかけを続けていきます
また、このデータを多くの様々な活動をする方々に、有益に使っていただけるよう、呼びかけを続けつながりあっていきたいと思います。
避難、補償、保養、子どもたちを守る活動、また地域の人々との勉強会など非営利の活動にご提供していきたいと思っております。どうぞお心当たりの方がいらっしゃいましたら、事務局までお尋ねください。



感謝

当イベントの開催、及び日頃の活動を助成金で支えてくださる団体をご紹介します
LUSH Japan https://jn.lush.com/
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト http://www.actbeyondtrust.org/
認定NPO法人高木仁三郎市民科学基金 http://www.takagifund.org/

またこれまで2回のクラウドファンディングへのご協力、直接カンパでこの活動を支え続けてくださる全国の皆様、活動を拡散したり応援してくださる皆様へ、この場をお借りして深く深く感謝申し上げます。
まだ活動は終われません。食品や土壌のデータ解析を通じて、データが指し示していることを、告知・拡散する新たなステージに入ります。
今後とも応援をよろしくお願いします。













土壌汚染マップ(通称:みんなのデータマップ)希望アンケート

土壌プロジェクト 都県別A2版マップ(みんなのデータマップ)発行にあたっての事前アンケート ご協力のお願い

3月末で無料測定期間を終了した、東日本土壌ベクレル測定プロジェクト。
おかげさまで17都県で合計3,000地点以上の採取、測定を行うことができました。

現在、ウェブサイト上ではその結果をご覧いただくことができますが、紙のマップのご要望を受け、都県別のA2版マップの発行を検討しております。
3月中に行った、イベント時の試験的な販売では、他にない情報が掲載されているマップとして大変好評でした。

マップはこのようなイメージです(タイトル・細かい部分は少し変わるかもしれません)
17都県全体を見渡せる地図と1つの都または県を拡大した地図が組み合わされたマップです。チェルノブイリ法と日本のゾーン(避難・補償などの区分)の比較表も掲載しており、どの地域がどの程度のセシウム土壌沈着があるのか、色別のスケールでわかるようになっています。


●福島県版マップのサンプル

●東京都版マップのサンプル




ただ、試験販売の際は、少量印刷であったため価格が高くなってしまいました。
今後、もっと多くの皆様に気軽にお手に取っていただけるよう、ご要望をお伺いした上で極力多めに(しかし大量在庫を抱えないくらいの量で)発注をすることで、お分けする価格を抑えることができればと考え、アンケートを行うことにしました。

1つの都または県につき、最低でも10枚以上の印刷発注とならない場合には、1枚当たりの価格が1,000円を超えてしまう、あるいは印刷発注を行わないことがありますので、ぜひ周りの方にお声をかけていただき、まとめ発注が可能になりますよう、ご協力をお願いいたします。

アンケート回答はこちらをクリック(Google formが開きます)

回答していただくと、希望に関する集計結果をご覧いただけます。

締切は4月30日です。 

結果を踏まえ、それぞれの都・県のマップの印刷枚数を決定したいと思います。
どうぞご協力をよろしくお願いいたします。